2011年01月20日 12:25
即席汁「一杯でしじみ70個分のちから」
これ、最近のヒット商品でもあるらしいですね。スーパーなどでもよく見ます。やっぱり「しじみ70個分」という、リアルな言葉のネーミングに惹かれてトライアルした人が多いんでしょう。でもヒネクレ者の僕は、アサリにしたら10個分、ハマグリにしたらせいぜい2~3個分じゃないか、などとツッコミたくなります。「一杯でハマグリ2個分のちから」じゃ、ここまで売れなかったか。
だいたい、いくら「しじみ70個分の力」って言われたって、普通、お吸い物やお味噌汁に入っているしじみの中味まで食べませんよね?(名古屋人だけはケチなので食べるらしい。)ダシガラにするだけでしょ? しかも通常、お椀一杯のしじみ汁には、20個や30個くらいのしじみは入っているんじゃないでしょうか。そうやって冷静に考えると、あまり大したものとも思えず、ありがたみも感じられなくなってしまいます。
さらに言うと、70個分の証明の元となる栄養素の「オルニチン」なんて、僕の人生で初めて聞いたコトバです。アミノ酸の一種らしいですが、とってもニッチな存在にしか思えません。どうでもいいような栄養素とまでは言わなくとも、そんなに必要とも思えず、いくらでも代用がききそうな気もします。そうなると「70個分」という数量の多さの強調だけで、実際は焦点をうまくはぐらかされたような気がして、ますます大したものじゃない気がしてきます。
他の商品のネーミングでも「一本で一日分の野菜」(伊藤園)とかあるけど、こちらのほうはまだピンと来ますよね。普段食べているものだし、栄養として必要なものだという意識がちゃんとあるから。しじみはねぇ…別に食べなくてもねぇ…どうってことないんじゃないでしょうか。「野菜を食べなさい」という母親はいても、「しじみを食べなさい」なんて誰もいわないでしょう。それとも名古屋のお母さんたちは、子供が残したお椀の中のしじみの身を見て、そう言うんですかね。
・・・と、自分の人間性のままにいろいろと皮肉を述べてしまいましたが、それでもこの商品がヒットしたというのはまぎれもない事実。こういうところに目をつけ商品化およびネーミング化した永谷園は、なかなか大したものだと思います。また今という時代をよく表わしているなぁとも感じます。どちらかと言うと、今は、口当たりのいいイメージ寄りのネーミングより、リアルな実利訴求型のネーミングのほうがユーザーの反応度の高い時代(もちろん商品のカテゴリーや値段にもよりますが)。まぁ、それはネーミングだけではなく、広告全体にも言えることですけど。
永谷園には、他にもユニークな商品はいっぱいありますね。「煮込みラーメン」とか「あらびき黒胡椒ガーリックチャーハンの素」とか「おとなのふりかけ」とか。聞いた話によると、会社はもともとはお茶屋さん(お茶の葉を売る会社)だったらしい。たしかに社名に付いている「園」というのが、それを表わしています。伊藤園とか宇治園なんかと同じですね。だからこそ最初に「お茶づけ」を売り出したとも聞きました。今でも会社としての多くの商品の基本技術は、フリーズドライ。お茶と同じく、お湯をかけて元通りというヤツです。
