2009年06月02日 15:52
自動車「サターン」
犬も食わない夫婦喧嘩を延々と聞かされるように、さんざんグタグタやった挙句、やっと予想通りに破綻したGM。政府が大株主になって再生を目指すという。この際、同じGMでも、ゼネラル・モータースからガバメント・モータースに名前を変えてみたら?といいたくなりますね。
再生にあたっては、優良ブランドだけ残し、そうでないブランドは売却するらしい。そのひとつに「サターン」というのがある。クルマの印象はなくても、たぶん名前ぐらいは聞いたことがあるでしょう。日本でも一時(10年くらい前?)、大キャンペーンを展開していたからです。それだけ本気で日本市場にも力を入れていたブランドだったわけです。
サターンはもともと、クジラのようなアメ車のイメージと違って、日本車に対抗できるよう作られたクルマだった。当時のキャッチフレーズは「礼をつくす会社。礼をつくすクルマ」。礼をつくすなんて、アメリカ人らしからぬコトバで、キャッチフレーズまで日本的でしたね。でもクルマ自体は、いくら礼を尽くされても買えないぜ!といいたくなるようなシロモノで、予想通り、数年で日本からは撤退してしまった。広告費だけでも毎年、何十億円も使っただろうに、もう本当におバカちゃんでした。
サターンというのはsatanではなくsaturnのほうですね。いくらなんでも“悪魔”じゃありません。たしかアポロ計画のロケットの名からつけられたと聞いたことがある。なんでロケットの名をクルマのネーミングにしたのか、今でもよくわからない。月面到着などアポロ計画の功績にあやかろうとしたんでしょうか。たしかにあのクルマで世界一レベルの高い日本市場に入ってこようというのは、ある意味アポロ=勇者なんでしょうが、もう少し中味を付けてこないとね。
戦後にハーシーのチョコをありがたがったような世代はともかく、今はアメ車なんて誰も見向きもしないでしょう。ああいったモノを“アメリカ文化”とかいってその存在感を声高に語る人もいるようだけれど、正直、僕にはただの無神経な粗悪品にしか思えません。だいたいアメリカ人にちゃんとしたモノが作れるんですかね。トイレなんか見ていると本当にそう思います。ただの丸型を半分に切っただけのような便器。日本の場合は、スロープ上になっていて、水を節約するとか、汚れにくくするとか、ちゃんと考えられているわけです。日本では当たり前のシャワートイレや便座を温める機能なんて、アメリカ人から見るとほとんど奇跡にしか思えないでしょう。
GMの破綻は、従業員やその家族から見ればとても不幸なことだったけれど、アメリカの一ユーザーから見れば別にどうってことはないはず。アメリカ・トヨタとアメリカ・ホンダがあるから困らないもんね、って感じでしょう。個人的には再生は難しいと予想しています。不良資産の分離などリストラはできても、その後の成長戦略がハッキリしないからです。クライスラーはまだフィアットと提携することで小型車を作ったり、ヨーロッパや南米など新市場を開拓するという戦略が見えているけれど、GMは何にもないからなぁ。
礼を尽くしても、人事を尽くしても、国家財政を尽くしても、ダメなものはダメな気がします。
