2009年03月25日 16:52
薬品「正露丸」
新規上場というと、まだ歴史が浅いベンチャー系企業というイメージがある。ところが先日、創業からは100年近い、会社設立からでも60年以上経っている企業が新規上場した。あのラッパのマークの大幸薬品、正露丸の会社です。
広く知られている話だけど、「正露丸」というのは、できた当時は「征露丸」というネーミングだった。日露戦争のとき、兵士たちが胃腸薬として持参したことから来ている。ロシアを征するための薬ということですね。そういえばCMでよく流れていたあのラッパの音も、昔の兵隊さんたちの起床ラッパみたいな音色だ。結局、世界の貧しい小国ニッポンがまさかまさかで当時の大国ロシアを破ってしまい、この薬への注目も国民的になってしまったらしい。もちろん因果関係なんて実証されていない。ただそういった無邪気さというか、無知さがまだ残っていた時代だったからでしょう。
ロシア人とビジネス交渉をする人は、この、元「征露丸」という名前のクスリを持参していけば、ゲンかつぎぐらいにはなるかもしれません。ちなみに原油バブルがはじけ、世界金融危機になった今、通貨ルーブルなんて信用したらダメです。それならまだ毛ガニで決済してもらったほうが得策です。なんたって昨年、株価が暴落したら、勝手に市場を何日も休みにしてしまうような国。公正な資本主義が根付いているとはとても思えません。・・・・すいません、ちょっと話がそれてしまいました。
正露丸の名前については、もうひとつ。これは一般名詞であり固有名詞ではないこと。つまり大幸薬品だけの製品名ではなく、他の会社でも正露丸という薬を販売できるし、実際に発売もしていること。これは正式に最高裁の判決で確定しています。といっても、正露丸といえばラッパのマークの大幸薬品だよね、と誰もが思うくらい浸透しているから、市場占有率はほぼ独占といっていいと思うけれども。会社から見ても、正露丸とその関連のセイロガン糖衣は主力商品どころか、ほとんど全てと言っていいほどです。1ビジネス1会社どころか、1商品1会社に近い。本社ビルの設立も社員の給与の支払いも、ぜんぶ正露丸がやってくれてきたようなもんでしょう。上場企業でいえば養命酒酒造なんかも近いかもしれませんね。ちなみに味の素は全然違います。同名の化学調味料なんて、会社の事業のほんのわずかに過ぎません。
僕が子供の頃は、どの家にも正露丸があって、「お腹がいたいよ~」といえば、「正露丸でも飲んどけ!」と条件反射的に親から言葉が返ってきたものだった。阪神タイガースが火消しに藤川を投入するように、当たり前のことだった。だから、あんなウサギのフンのような真っ黒な薬でも、無理やり飲み込むようにしていた。でも今はどうなんでしょう。少なくともウチの家には正露丸なんて置いてないし、今の子供は飲んだ経験もあまりないと思う。そうやって考えると、今後、この会社は新規事業とか、新規市場地域を開拓しないと大変なんじゃないかなと感じます。ロシアと敵対している周辺国に、日露戦争の話とともに売り込んだら、けっこう売れるかも。別に戦争を煽っているんじゃありませんが。
大幸薬品ホームページ http://www.seirogan.co.jp/
