2009年02月01日 17:37
街「美しが丘」
今回は街のネーミングなど。
都内近郊の人はみんな知っている、横浜市緑区美しが丘。なんとまぁ、イメージのいい言葉の3段重ね。何年か前から、緑区ではなく青葉区となったけれどその響きは損なわれていませんね。
この美しが丘という地域名が付けられたのは、1969年。聞くところによると当時は田んぼや畑ばかりで、住んでいる当人たち以外は誰も横浜とは思わなかったような風情だったらしい。じゃがいも畑にプリンスメロンの看板を立てるような、こそばゆいネーミングだったと察する。しかし今や、屈指の人気住宅街、高級住宅街になってしまった。どこかの芸術家ふうに言えば(「自然が芸術を模倣する」って誰が言ったんでしたっけ?)、街がネーミングを模倣してしまったのだ。
こういった街づくりとしてのネーミングは非常に面白い。通常の商品などは完成したものにネーミングをするが、街づくりの場合は今後、発展してゆくものにネーミングをすることになる。会社名なども同じ。ただ会社と違い街はいつもリアルな生活場所として見られてしまうわけだから、実態と乖離しすぎて名前がスベってしまったらコワイ。たぶん相当な計画性をもって作られたと思います。自治体、電鉄会社、住宅メーカーなどが一緒になってやったんでしょうね。
日本は少子化、人口減で、今後、何もないところに新しい街を作る必要はあまりないでしょう。だから赤ちゃんを生み育ててゆくような街づくりのネーミングも、もうないかもしれない。市町村合併で新しい街の名はできても、それは熟年どうしの結婚のようなもので、ときめきなど感じられないものだ。アメリカなどは、土地が広いので、街が古くなると住民たちはその場所を捨てて新しい場所に街を作ってしまうことがあるけれど、日本の場合は古くなったら、再開発で街の化粧直しをしてしまう。おかげで今はどこもかしこも再開発だらけになっている。必然的に新しい街は生まれなくなる。手を加えてもらえなければただただ街が年老いてゆくことになるだけだ。昔、ニュータウンとして世の中の脚光を浴びた街なども、多くがそうなっているのではないでしょうか。
美しが丘近辺は、決して都心に近いわけでもなく、横浜の中心からも距離がある。夜中まで繁華街で酒を飲んで気軽にタクシーで帰れるような場所じゃない。にもかかわらず、すっかり人気のエリアとして定着している。今後もまだまだ成長してゆく街だと思います。
