化粧水「雪肌精」
ゴマンとある化粧品のネーミングで今までに僕の印象に残った、数少ないもののひとつ。読み方は“せっきせい”。すでに発売されて長年が経つけれど、今でもいいネーミングだと思う。雪という文字に、とてもシズルを感じる。日本女性の肌の美しさへの憧れを上手に象徴している。静かな響きだけど、きっちりと存在感を示しているような名前。こういうのは、漢字ネーミングの良さでもある。横文字ばかりの化粧品の中では、異質な目立ち方をしている。
「雪のような肌」というとき、日本人はとても無垢なイメージをもつ。秋田美人とか新潟美人というのも、雪国特有の白い肌と清楚な面立ちを連想させる。紫外線とは無関係なイメージだ。日本古来の静かで落ち着いた女性。まぁ、現実的にはそうでもないと思うけど。田中真紀子だって新潟女性なんだから。
ところで「雪肌精」に「雪」以外の漢字を使ったらどうだろう。で、ちょっと余興的に考えてみると・・・
「柔肌精」=与謝野晶子の詩を思い出しますが、イマイチ。
「透肌精」=ちょっとワザとらしい。
「美肌精」=あたりまえすぎ。
やっぱり形容詞は、触れ方が生ぬるいですね。で、次は名詞を使って・・・
「餅肌精」=たしかにきれいな肌のことを「もち肌」とはいうけれど、こういう字面にすると“お煎餅か”とツッコミたくなります。
「絹肌精」=悪くはないけど、まぁ普通かな。そういえば誰かが白人と日本人の肌質の違いを、豆腐の木綿ごしと絹ごしに例えていたなぁ。
「星肌精」=輝くという意味を込めて。でも意味がわからないでしょうね。
・・・てな漢字、じゃなくて感じでしょうか。
欧米ではキレイな肌をたとえるのに、どんな言い方をするんだろう。「マシュマロのような肌」とか言うんだっけ? 同じアジア人でも中国や韓国の場合は、日本人とはまた違う例え方があると思うけど・・・。誰か知っている人がいたら教えてください。
雪肌精は、ネーミングに加えて、青を基調としたボトルデザインも秀逸だった。初めてみたときその商品の場所だけがひんやりとしているようで、思わず吸い込まれそうになったような記憶がある。そこだけ空気が違うというか、凛とした印象だった。ネーミングとデザインの良さが、素晴らしく掛け合わされた商品だったと思います。
コーセー 雪肌精ウェブサイト http://www.sekkisei.com/jp/