電気自動車「i MiEV」
原油高が止まらない。一般生活者のリアルな言葉で置き換えると、ガソリン高が止まらない。世界ではいつでも、どこかの何かが必ずバブルになっているというが、今でいえば原油価格が異常なバブルになっている。おかげでクルマ、特に大型車 が本当に売れなくなってきている。
ただ原油高も長い目で見れば、いいこともある。それを克服しようとして、技術革新が進むからだ。困難は進歩の母でもあるのですね。クルマでいえばガソリンに頼らない、代替技術。既存の選択肢としてはトヨタのプリウスのようなハイブリッド車、バイオエタノール車、クリーンディーゼル車などがあるけれど、いよいよ次の選択軸として電気自動車に注目が集まっている。というか、原油高がそれを催促しているんでしょう。「早くしてよ電気自動車、私のところに来て」とキレイなお姉さんではなく家計を預かるオバさんたちに呼ばれている。色気たっぷりの目線ではない。生活がかかっている熟年女性の圧力目線だ。・・・う~ん、そりゃ強いわ。おかげで、三菱自動車が本格的な電気自動車の一般販売開始を、当初の計画の2010年から2009年(つまり来年)に早めることを発表した。もちろん原油高以外に、環境負荷を減らすという人類的目的もある。
この三菱の電気自動車のネーミングが「i MiEV」(アイミーヴ)。既存の「i」というクルマをモデルにして、「Mitsubishi」(三菱)、「Inovative」(革新的)、「Electric」(電気)、「Vehicle」(乗り物)の頭文字を組み合わせて作られた。クルマのネーミングは、欧米語の語源を使う場合がほとんどであることを考えると、こういった100%造語のネーミングは珍しい。電気自動車という新しい幕開けにふさわしいかはともかく、あまり前例のないネーミングではある。
クルマのネーミングは僕も何度がやったことがあるけれど、非常に難しい。ネーミング自体が難しいのではなく、商標登録ができるネーミング制作が難しいのだ。ほとんどの英語が既に登録されてしまっている。極端にいえば英語辞書一冊まるまる登録されているようなものだ。実際に世の中に出てはいなくても、メーカーは将来的に可能性のあるネーミングをすべて登録しているからだ(だから最近のクルマのネーミングはイタリア語やスペイン語が多い)。そんな状況も多少あったのかもしれない。
日本の代替エネルギー技術および環境技術というのは、これはもう圧倒的に世界の先端を走っている。クルマでいえばプリウスの大ヒットが大きな証明になった。今やハリウッドスターがアカデミー賞授賞式にプリウスで駆けつける時代だ。2012年までにニューヨークのタクシーのすべてを、ブリウスなどのハイブリッド車にすることも決まった。そういえばプリウスのことを、発売当初アメリカの自動車ビッグスリーメーカーのどこかの社長が「中途半端な環境車に過ぎない」とボロクソに酷評したことを思い出す。今となってはカロリー摂り過ぎの自分のブヨブヨのお尻を丸出しにしたくらい、恥ずかしい発言になってしまった。おまけにそのお尻には火がつきまくっている。経営が急激に悪化しているからだ。GMの時価総額なんて、もうトヨタの六分の一に過ぎない(と、7月15日の日経新聞に出てました)。この一年で株価は70%下落です。それが市場の評価です。フォードにしてもクライスラーにしても、今の姿は悲惨の一言につきる。プロレスラーがステーキを平らげるように、ガソリンを食いまくるクルマばかり作ってきたせいだ。そりゃ経営危機になって当然ですよ、ビッグスリーさん。少なくともアメリカで売れているのは、トヨタやホンダなどの日本車ばかりだ。そしてまた日本から、本格的な電気自動車が発売される。
ただ近いうち原油が大暴落する可能性もなくはない。そのときはまた状況は一変しているんでしょうね。i MiEVが発売される頃は、どうなっているのかなぁ。いずれにしても街を走っている姿を早く見てみたいものです。
三菱自動車 i MiEV http://www.mitsubishi-motors.co.jp/special/eco/index.html