化粧品「CHICCA」
前回に続いてお化粧品のネーミングについて。前回は女子高生の商品だったが、こんどは彼女たちより40年以上も長く生きている人たちの商品。
団塊世代の退職が始まって、彼らに向けたビジネスが花盛りとなっている。資産はある。年金はある。趣味もいろいろある。おまけに時間までできた。退職したからといって、夫婦でのんびり縁側で茶をすするような連中じゃないのだ。しかも人口的なボリュームもいちばん多い。企業から見れば購買者として格好のターゲットとなる。デパートに行くと、彼らが本当に高いものをいっぱい買っているのをよく見る。
そこでカネボウ化粧品(今は花王の傘下)から発売されたのが「CHICCA」というブランド。これ、“キッカ”と読みます。“チッカ”ではありません。「CHANEL」を“チャネル”と読んでしまうような僕の親とは違い、教養もあるとわかっているのだろう。ちなみに僕の親は70代です。
CHICCAとは、イタリア語で「かわいい」ということらしい。60歳のおばちゃんに敢えて「かわいい」という意味の言葉を発信した。団塊の世代に向けては、今から約10年ほど前、50代になった彼らに向けて資生堂が商品を出したことがある。ブランド名は忘れてしまったが、キャッチフレーズは覚えている。“美しい50代が増えると、日本は変わると思う”というものだった。当時は非常に印象に残る言葉だった。発信元は違うけど、あれから10年歳をとった人にこんどは「美しい」ではなく「かわいい」というキーワードを出したことになる。
あたりまえだけど、昔は60代向けの化粧品なんて考えられなかった。10年後、彼女たちが70代になったとき、また新たな化粧品ブランドができるだろうか。いくらなんでも・・・まさか・・・とは思うが、全くないとも言い切れない。それにはまずCHICCAが成功することが前提になるけれど。というわけでその売れ行き、それによる競合他社の参加動向なども気になるところではあります。
●カネボウ化粧品「CHICCA」 http://www.chicca.jp/