ネーミング次郎のネーミングコラム

搭乗サービス「SKiP」

何か物事が便利になると、以前はよくあんな面倒くさいことしていたなぁと、はるか遠い時代を思い起こすような感覚になる。最近、特に多い。ITをコアにした生活変革のスピードが速いからだ。
昔は飛行機に乗るとき、搭乗券を持ってカウンターでチェックインをしていたんだ・・・そんな懐かしさを感じる日も、もう間近だと思う。全日空(ANA)が12月までに国内線のすべてで、“チェックイン不要、タッチで搭乗できるサービス”にするからだ。
このサービスの名前が「SKiP」。森光子さんのCMが一時よく流れていたので、すでに認知度も高いだろう。とても上手なネーミングだと思う。名前の通り、面倒な手続きをスキップしてくれる。「スカイ」と「切符」の合わせ言葉でもある。「i」だけを小文字にしたのもいい。ロゴタイプもチャーミングだね。
SKiPは、マイレージカードなどのほか、おサイフケータイでもタッチでいける。まったく便利になったものだと感心する。天国に行って10年前に死んだ人と会話したとしたら、どうやったら理解してもらえるのか説得に苦労するだろう。
全日空はネーミングや広告が上手な企業のひとつだ。日本航空(JAL)と比べれば、よくわかる。それがそのまま経営状況と就職人気ランキングの差にもなっている。スチュワーデスのルックスの差になっているという主張も、僕の回りでは多い。他のネーミングでいえば「旅達」(たびだち/旅行情報をネットで届けるサービス)や「旅作」(たびさく/オリジナルのプランが作れるサービス)というのも上手い。CMも毎回、レベルの高いものを制作している。
ところで世の中が便利になっていく一方では、もちろん困ったことも出てくる。僕の場合、ひとつはPCやケータイサイトにログインするときのIDやパスワードが多すぎて、とても覚えきれないこと。いちいち手帳をめくるのも面倒だし、どこにメモしたか見つけられないときもある。
もうひとつはSKiPで使うようなICカード、メンバーズカード(ポイントカード)が増えすぎてしまうこと。福沢諭吉ではなくカードでお財布がパンパンになってしまう。1枚にまとめられたらいいだろうと思うけど、競合会社や競合店がある以上、難しいんだろうなあ。

ANA「SKiP」 http://www.ana.co.jp/dom/checkin/skip/

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