カブトムシ「ヘラクレスリッキーブルー」
夏になると男の子たちは、古今東西、カブトムシやクワガタに興味を持つことを成長の儀式としている。うちの息子(6歳)も例にもれず、夢中になっている。といっても僕の子供時代と、決定的に違うことがひとつある。それは、世界中のカブトやクワガタに目がいっていることだ。ああ、情報化社会とグローバリズムはここまでも、という感じだ。
火付けブームになったのは、「ムシキング」というゲーム。いろんなカブトムシやクワガタがバトルをする内容で、テレビ番組も昨年までやっていた。おかげでペットショップやホームセンターで、世界から取り寄せたカブト、クワガタが売られるようになった。値段は高いものになると数万円というものもある。いろいろ見ていると、世界にはこんなカブトたちがいるのかと興味をもってしまう。
僕はずっと、日本のカブトムシはカッコイイと思っていたけれど、世界のいろんなカブトムシを見ていると、なんだかとてもカッコ悪く見えてしまうことに気づいた。もう比較対象にさえならない。スカイラインとフェラーリくらいは違うだろう。所詮、胴長短足の日本人が住む国のムシか、と嘆いてみたくなる(日本のカブトムシたちよ、ゴメン)。
その外国のカブトムシの中でも、ひときわ凛として美しいと思う種類がいた。南米系で上ツノが刀のように長く、シャープな胴体。羽根は、青みがかかった白。名前は「ヘラクレスリッキーブルー」という。プロレスラーのリングネームのようなこの名前を聞いて、ますますカッコよく思えてしまった。レフェリーが対戦前の選手ネームをアナウンスした段階で、もう日本のカブトムシは負けてしまいそうだ。
ヘラクレスというのは、知っての通りギリシア神話の英雄。強さを表す象徴として、付けられた名前なのだろう。海外ではこういった神話や伝説からムシの名前を付けることが多いのだろうか。たかがムシにと言っては失礼だけど、ずいぶんロマンチックだなぁと思う。
日本のムシの名前はどうだろう。パッと思い浮かべた感じでは、全体的にずいぶんベタな名前の印象が強い。一種類しかいないカブトムシはともかく、クワガタなら「オオクワガタ」「コクワガタ」「アカアシワガタ」「ノコギリクワガタ」「ミヤマクワガタ」・・・。今がピークのセミだと「アブラゼミ」「ツクツクボウシ」「ミンミンゼミ」「ニイニイゼミ」・・・。他のムシだと「殿様バッタ」とか「源氏ホタル」などもあるけど、もうひとつといった印象。
一度でいいから、こういったムシや生き物のネーミングもやってみたいなぁと思う。正確な学術上の名は既にあるだろうから、あくまでも愛称としての名前。もちろん、そんな発注は来ないとわかってはいるんだけど。
昆虫少年「ヘラクレスリッキーブルー」 http://www.rakuten.co.jp/clv-kids/577631/632452/