ネーミング次郎のネーミングコラム

調味料「クレイジーソルト」

アメリカは料理はどうしようもないけど(アングロサクソンの味覚構造というのは、一体どうなっているのかと、ときどき真剣に思う)、調味料はよくできている。ハインツのケチャップや、ベストフーズのマヨネーズ、そして何よりもこのクレイジーソルトだ。
我が家のキッチンでは、どでかい業務用クレイジーソルトが常備されており、毎日、何かの料理に使っている。一部の和食以外すべての料理に合うと言っても過言ではないほど、奇跡的に便利で旨い。成分表示を読むと、岩塩をベースに、ペッパー、オニオン、ガーリック、セロリ、タイム、オレガノとある。
このクレイジーソルト、かなり昔から使っていたのだが、ある日、突然、その名前の奇妙さに気がついた。“クレイジーソルトって、「狂った塩」ってこと? それって、いくらなんでもヘンじゃないか?”という具合に。
そこで改めてパッケージを見直してみた。カナカナで大きく「クレイジーソルト」とあるが、その上にある英文表記を見ると「crazy」ではなく「krazy」とある。もしかして別の言葉? ところが辞書を開いてもそんなスペルの単語はない。どういうことだろうと思ってホームページを見ると“クレイジーとは「crazy for you=あなたに夢中」の意味で、crazyをあえてキッチン=kitchenの頭文字をとってkrazyにした”ということがわかった。
昔、同名の曲をマドンナが歌っていたし、そういう使い方があるのは知っていたけれど、だからといってカタカナで「クレイジー」でいいものかと感じる。大多数の日本人はやっぱり当初、違和感をもったのではないかと思う。まぁ、僕の英語理解力の低さを基準に言っているせいもあるけれど・・・。ちなみに英語のオリジナル表記は「krazy mixed- up salt」。
あくまで想像だけど、日本で発売するとき販売側は、日本人に対して「クレイジーソルト」と表記することに抵抗感があったと思う。ネガティブなイメージにつながりかねないと。しかしあくまでオリジナルネームにこだわるアメリカ側に押し切られたのではないか。国内販売をしているのは大手メーカーではなく、日本緑茶センター株式会社」というところで、これも不思議な取り合わせだ。
もともとクレイジーソルトを作ったのは、ニュージャージーに住んでいたジェーンというおばさんらしい。企業ではなく、一介の主婦が作ったのがすごいと思う。カーネル・サンダースの女性版のような人だったのだろうか。ホームページには、彼女とニクソン大統領夫妻からみの話など、誕生秘話も紹介されています。一読の価値あり。

クレイジーソルト・クラブ http://www.jp-greentea.co.jp/krazy/krazysalt.html

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