ネーミング次郎のネーミングコラム

書籍「佐賀のがばいばあちゃん」& インスタントラーメン「とっぱちからくさやんつきラーメン」

タレント島田洋七が大ヒットさせた小説「佐賀のがばいばあちゃん」。「がばい」とは、「すごい」という意味らしいが、九州以外の人間では、まずわからない。でもそのわからなかさ加減が、逆に本を手に取りたくなるような魅力な言葉になっている。本がヒットしたのは、このネーミングの面白さもあるはずだ。
方言ネーミングというのは、ひとつの常套手段で、本や番組名だけにとどまらず、一般の商品でもよくある。しかし、語尾だけを方言にしたりしてチャーミングにするものの、誰が読んでも意味はわかるような外観は残すことがほとんどだ。特に全国マーケットを意識した場合、よその人間(東京を基準とした人々)がわからないものはダメ、という理屈である。しかし必ずしもそうではないと思う。
この「佐賀のがばいばあちゃん」のヒットで思い出したのが、昔あった「とっぱちからくさやんつきラーメン」というインスタントラーメンのネーミング。15年くらい前だろうか、CMもかなり流れていたから覚えている人も多いだろう。とにかくこの名前、九州以外の人間にはまったくわからなかった。しかし一度名前を聞いたときの突然変異的インパクトは強烈で、「何だ?何だ?」と反射神経がムズムズした記憶がある。
「がばい」というのは、意味はわからなくても、まだ形容詞であることぐらいは想像できる。前後の言葉である「佐賀の」も「ばあちゃん」も誰でもわかる。それに比べこの「とっぱちからくさやんつきラーメン」の場合、「ラーメン」以外はまったく意味不明のチンプンカンプン。おまけに長ったらしい名前で、どこまでがひとつの言葉なのか、どこで切って読むのかも、当時まったくわからなかった。それにもかかわらず、大きな話題となった。テレビCMを大量に流したことが、ワケのわからなさと話題性に拍車をかけた。ちなみに意味は、九州弁で「とっぱちから」=“最初から”、「やんつき」=“やみつきになる”「ラーメン」ということらしい。「くさ」というのは、九州独自の語尾だそうだ。
同じ九州発の豚骨味のインスタントラーメンには、「うまかっちゃん」という定番もあった。こちらは先ほど述べたように、語尾だけを方言したオーソドックスなネーミングで、誰でも意味はわかる。「とっぱちからくさやんつきラーメン」は、あらゆる意味で常識はずれで、大傑作ネーミングのひとつだったと思う。

佐賀のがばいばあちゃんhttp://books.yahoo.co.jp/book_detail/31313920
佐賀のがばばあちゃんオフィシャルサイトhttp://www.gabai-youchan.com/
とっぱちからくさやんつきラーメンhttp://www.foods.co.jp/HEAVEN/anomen/5-1.html

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