ネーミング次郎のネーミングコラム

靴下「通勤快足」

さて、“いいネーミングは商品を大ヒットさせる”という例をひとつ。
その実証のためには、同じ商品で、以前のネーミングと新しいネーミングの2つを試した事実が必要となる。でなければ、たとえ商品が大ヒットしても、それが商品の品質によるものか、ネーミングによるものか、またはそれ以外の理由によるものかわからないから。
で、誰でも知っているレナウンの抗菌防臭加工の靴下「通勤快足」。ちょうど今年で発売20周年という定番だ。では「フレッシュライフ」というのは知ってますか? 実はこれは「通勤快足」の前のネーミングである。
その昔、レナウンは「フレッシュライフ」という靴下を発売したけど全然売れなくて、販売策として思い切って名前を変えようということになったらしい。すると途端に、売上げは一気に10倍近くになったという。すばらしい。すばらしい。
「フレッシュライフ」から「通勤快足」へは、まさに勇気ある変身だったと思う。歌手でいえば、口当たりのいいポップス路線から、いきなり人情演歌路線に変わるようなものだ。狙いもトーン&マナーもまったくの逆。しかもレナウンは、ファッショナブルなブランドネームをたくさん抱える企業だ。その企業イメージもある。
今ではこういった漢字1文字変えのネーミングは山ほどあるが、発売当時としては画期的だった。そして笑わせてくれた。毎日満員の通勤電車で通うオジさんたちにとって、もの悲しくも、いとおしくなるようなネーミングだったに違いない。
最近はその知名度の割に、売上げもジリ貧になっていると聞く。機能的な鮮度が落ちてしまったり、ターゲット世代が入れ替わったり、単純なライフサイクル的な限度もあると思う。ただネーミングの成功事例としては、今後も語り続けられる商品に間違いない。

レナウン「通勤快足」http://www.renown.com/brand/inner_socks.html

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