ネーミング次郎のネーミングコラム

ポッカ「じっくりコトコト煮込んだスープ」

この商品、長いネーミングのハシリだったかもしれない。ネーミングはまず短くなければダメ、という概念に風穴をあけてくれた。
インスタントスープ市場というのは、当時(今も)圧倒的に味の素の「クノール」ブランドがNo.1で、そこにどうやって、食い込んでゆくかが命題だった。当然、ネーミングにも相当なインパクトが求められたと思う。
同じ意味を付けるにしても「煮込みスープ」とか「熟成スープ」では、確かに弱い。他の多くの商品の中に紛れてしまう。あるいは短めに「じっくり煮込んだスープ」か「コトコト煮込んだスープ」でもいいじゃないか、という意見もあったかもしれない。しかし「じっくり」と「コトコト」という同じような意味をもつ言葉を重ねたところが、手作り感のあるスープのようなイメージになった。
しかし欠点もある。まずCM制作者にとっては長すぎる、読むのに時間がかかりすぎる。通常15秒のCMで、商品をナレーションするだけで4秒もとられてしまう。大事な商品名だからこそ、あまり早口に読むわけにもいかないし。
同じことはパッケージデザインにもいえる。商品名だけで、けっこうな面積がとられてしまうのだ。
うーん、どうしたらいいのかな…なんてCMとかパッケージデザインのクリエイターは悩んだに違いない。そうやって、じっくりコトコト煮詰まってしまった夜も、あったと思う。

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